ぽすぽす田舎

おもに化学やってる大学院生。 思ったこと気付いたこと忘れそうなこと楽しかったこと。 いろいろつれづれに書いていきます。

留学で学んだことをば_その1

 

留学開始早1か月。

 

とゆことでなんとなくこの留学に価値を見いだせているのかと不安になったため書いてみようと思う。

 

色々感じたこととりあえず書きなぐっていく。

 

-異国での体調管理方法--負けるが勝ち!最初の1か月は絶対無理するな。

 留学先では確実にこれまでと気候が異なる。暑いだの寒いだのいろいろある。時には手続きのため連日バスやらタクシーやら使って移動しまくらないといけない。なので慣れるまで(1か月過ぎるくらいまで)は毎日遅くとも22時には部屋に帰り、シャワー浴びて24時前には寝ること。

 これまでのペースで実験してやるぜ!24時?25時?当たり前じゃんやったるわあぁぁぁぁぁ!って気持ちは大いに結構。特に最初の1週間2週間はやる気に満ち溢れてるから底なしに実験できると思うでしょ。そのくらいの勢いないと最初のスタートダッシュは無理だし。

 でもねでーもね。時には負けるが勝ちってこともある。慣れない環境で体調崩したら困るよ。医者どこだ?医者に言葉通じるか?この薬本当にいいのか?あぁ体調悪いけど外国人登録に行かなきゃ。。。とかとか。体調崩すと治りは遅いし実験遅れるしストレスたまるしで全くいいことない。したがって慣れるまでは疲れてなくても早く帰って寝ること。これ大事。

 

 

-慣れない研究室での実験開始方法--やみくもさと信頼性のバランスが大事。

 実験始まったらテンションあがるでしょー。最初はやみくもに収率も信頼性も気にせず仕込むの大事よ。でもやみくもにやり続けたら疑問の残るデータばかりが集まり教授とのディスカッションの際に言葉は通じないロジックも通じないってことになりかねん。よって次のいくつかに着目して実験準備するとよいかな―と思ったので書いてみる。

 

1. いかにこれまでの自分の方法と新しい研究室での方法を両立させるか

2. いつまでやみくも実験を続けるか

3. いかに実験の信頼性をとるか

 

 1. 両立について。。。。なんだと?これまでの方法が通じない。。だと!?そんなばかなっ!

ってのはよくある話だって環境違うんだもんしゃあないやん。とゆーことで自分のこれまでの操作や実験の進め方にこだわりすぎないこと。留学する人ともなればそれなりに自分の考え持っててそれなりに実験慣れてるわけだから自分の力がどれくらい通じるか確かめてやろうじゃないのって気分になる人も多いと思う。でも郷に入らば郷に従えって言葉もある。自分のこれまでの方法では新しい研究室では信頼性が確保できないって操作もある場合もある。大切なのはこれまでと同じ操作をすることでなく、いい実験結果を得ることなんだからちゃんと周りの人に聞くこと。小さいことでも迷ったらすぐ聞く。乾燥溶媒の取り方なんて初歩的なものでも聞く。

 

 2.いつまでやみくも実験を続けるかだけどこれはホント人にもテーマにも研究室にもよるから正直何とも言えない。一応俺の場合だけど、D2で日本での研究は有機金属化学(GB使って酸素水に耐えられないもやしっ子達を日々生産単離構造決定する学問)で、こっちで金属触媒使った有機合成化学をやっとります。一応マニホールド使った不活性雰囲気下での反応をやってる。だから設備的には日本とあんま変わんなかったから慣れやすかった。その状況でやみくも実験は10-13個(約2週間)ってとこかな。やみくもっていっても信頼性完全無視じゃないよ?ちゃんと本気で操作はしたけど自分の知らない情報がのちのち出てきて結果的に"やみくも実験"とゆーもう一回仕込む羽目になった実験たちね。つまりは注意すべきところで注意してなかったんですねごめんなさい。とまぁ案外環境の似ているとこでもこんなもんでした。俺の腕が悪いってのも一因にあると思うけどそれでもおそらく5個くらいは練習実験だと思ってやった方がへこみません。

 

 3. やみくも実験で実験操作にも慣れてきた後に重要なのはいかに信頼性のあるデータをとるか。これなくしては化学は進歩しません。とりあえず俺が注目したのは文献検索、試薬検索、分析(NMR、GC、TLC)をいかに一人でできるようになるか。そしていかに早く自分にとって(ここ重要)信頼性のあるガラス器具やシリンジ針、試薬を確保できるか。ってこと。

 まぁ文献検索は置いといても試薬検索して試薬見つけられるようにならないと仕込めませんからね。そして留学前にこの試薬あるー?って聞いてあるよーって言われてても実際はdecomp.してましたとかよくある話。そして発注かけたが国内に在庫なく2週間から1か月かかるよーてのもよくある話。従いまして最初に実験計画立てて必要な試薬を片っ端からチェックし、発注必要なものはできるだけ早く発注かける。信頼性低い試薬をNMRも自由に測定できない状況で慣れない研究室で精製するってすごいストレスよ。もし精製できてなかったらまたやるのかーってへこむ。なかなかつらいね。とゆーわけで試薬検索および発注大事。

 つづいて分析。これまで使ってた分析機器と同じのがあるなんて稀まれマレ。測定予約方法もあちらの母国語で書いてあるのが多いので最初は一人じゃできない。ID必要な場合もあるし。よっていかに一人で分析機器を予約、使用、解析できるようになるかが重要。実験計画に影響するしね。TLCも発色剤が満足に無い場合もあるから作り方ちゃんと知っておくのも重要です。

 あとガラス器具とかシリンジ針とか。これあるー?あるよーはい。ありがとう。。。。ってなんんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁっての良くある。認識の違いからくるから仕方ない。シュレンクの口に合わないJ.Youngコックつかってるとかグリス使わないでテフロンテープ巻いて使うとか研究室によってやり方異なる。でもこれじゃ真空度に関わるし長時間の反応では水酸素はいっちゃうじゃん。俺そーゆーの気になる。なので信頼できるJ.Youngコックとシュレンク管の組み合わせとか根元が折れてないシリンジ針とか内側が傷ついてないマイクロシリンジとか自分が信頼できる器具をそろえるのが結構重要。隣の実験台のやつに分液ロート借りて漏れ無しで使い出したら有機溶媒は漏れましたってことがあった。まぁ水だけでなくエーテルでも漏れないかどうか確かめろってだけなんだけどさ。でもこれで隣の実験台のやつは普通に使ってたわけで器具に対する信頼性って結構違うから注意すること。

 

-自分のPCに入れられるソフトは入れとけば?

 つまりChemDrawやPhotoshop、X線解析ソフト、NMRスペクトル解析ソフト、量子計算ソフトなど、これまで研究室で共有のものを使えばいいと思っていたものが留学先ではないことが多い。NMR解析についてはRamo持っとくしか対策が無いけどね。X線はヤドカリ持っとけばいいし量子計算はWinmostarあればよし。しっかりGamessももっとくこと。自分が慣れて信頼しているソフトを自分で持っとけばどんなとこ行ってもこれまでの実力発揮できる。ちなみに自分はNMR測定・解析(HSQC、HMBC、DOSY、速度論などなど)、X線解析(ヤドカリ使った構造解析)、量子計算(WinmostarでGAMESSつかった量子計算)については一通り自分でできるから留学先のD3に重宝された。Useful Guyって二つ名をもらった。

 

 

こんなもんかなーとりあえずは。

また気になったことあったら書きます。