ぽすぽす田舎

おもに化学やってる大学院生。 思ったこと気付いたこと忘れそうなこと楽しかったこと。 いろいろつれづれに書いていきます。

溶媒の脱気、脱水について

 

みなさん溶媒の脱気脱水ってどれくらい気にしていますか。

自分はとても気にしています。

なんせ自分の化合物は水、酸素がいれば反応するもやしっ子ですので、過保護なまでに水と酸素の除去を行っています。

 

脱水については、自分の研究室(日本の)では関東から購入した脱水溶媒をLAHやカリウムミラーで一晩乾燥し、蒸留することで使用しています。

カリウムミラーとはカリウム単体をシュレンクフラスコにいれ、加熱、蒸発させることでフラスコ内にカリウムの膜を張り、ここに溶媒を入れることで脱水する方法です。

加熱はライターでやってます。

ターボライターならやりやすいかな。

一点のみをあぶらないとうまく張れないので慣れが必要ですが、この方法では水だけでなく酸素までも除けるため非常に信頼性が高いです。

 

もともと乾燥してある乾燥溶媒を乾燥するって意味あるのか?

とよく聞かれます。

通常の合成だったら必要ないでしょう。

グリニャーとかブチリチつかう程度ならば。

 

んで、今回書きたかったのは脱気についてです。

脱気と言ってもアルゴンバブリングで済む場合もあるし、凍結脱気を行う場合もあるでしょう。

この凍結脱気。

英語ではFreeze-Pump-Thawと書きます。

みなさんどうやってますか?

いろいろ方法があると思いますが、紹介までに書いてみたいと思います。

 

まずは溶媒を凍らせる。

当然です。

凍らせなければ脱気と共に溶媒ばいばいです。

凍らせるのは大体液体窒素を使いますね。

凍傷に気をつけましょう。

 

充分凍ったらシュレンクのコックをあけ、真空ポンプでひきます。

げろげろ。

メーターがおちつくまで待ちましょう

 

メーターが落ち着いたらコックを閉じ、溶媒を溶かします。

このとき研究室によってやり方はまちまちらしいです。

そのまま液体窒素から出してただ待つ。

というところもあれば

水、またはぬるま湯で溶媒全体をあたためて溶かす。

というところもあります。

 

うちの研究室ではヒートガンであぶります。

爆発しないの?

と、よく聞かれます。

爆発したことは無いです。

一応真空下ですし、気をつけてます。

 

ただこの時注意することがありまして、凍った溶媒を上から溶かしていきます。

これ下からやるとシュレンクの底が抜けます。

その様子はさながらラピュタの窯の底が抜けるようです。

非常に危険です。

 

底が抜けたあかつきにはカリウム単体もしくはLAHが飛び散り、火がでます。

これはぜひとも体験したくないものです。

なので溶かす時には溶媒の上の方から。

そしていざ底が抜けた場合に備えて必ず燃えないトレイなどを下に置いておくことです。

 

なんでこんなことが起きるかって。

それは当然、下から溶かすと増えた溶媒体積分の行き場が無くなるからです。

上から溶かせば問題ありません。

 

そして溶かし終わったらまた凍らせます。

これを3回繰り返しましょう。

そしたら大体溶存気体は除けてます。

 

ちなみにメタノールなどのアルコール類を凍結脱気するといかに丁寧にやっててもシュレンクの底が抜けるので注意です。

この場合ある程度アルゴンバブリングで酸素を抜き、凍結脱気を一度だけ行えばよいでしょう。

そしてライントランスファーで終了。

 

イントランスファーについてですが、これは一種の減圧蒸留です。

真空ラインを用いて蒸留する方法で、非常に簡単に、短時間で行えます。

方法は一方に脱気乾燥したシュレンクAを真空ラインにつなぎ、もう一方に凍結脱気が終わったシュレンクBをつなげます。

シュレンクAを真空にし、さらに液体窒素で冷やします。

そして溶媒を入れてあるシュレンクBと真空ラインをつなげると、常温であるシュレンクBの溶媒は蒸発し、冷やされているシュレンクAへ移り、凍ります。

すべての溶媒を移し終わったらシュレンクAの溶媒を溶かし、アルゴンで戻して終了です。

 

シュレンクBはアルゴンで常圧に戻し、THFでLAHを溶かして、これを氷水に加えることでつぶします。

カリウムミラーの場合にはイソプロパノール:トルエン = 1:2もしくは1:3くらいの混合溶媒を一気に加え、放置します。

このときはがれたカリウム単体が溶媒表面に浮いてきて酸素と反応し、火が出ることがあります。

なので浮いてきたらスパチュラで撹拌しましょう。

火が出てしまったらセプタムやガラスコックでふたをし、中の酸素を使わせてしまうのが手っ取り早く消火できる方法です。

 

この他にもベンゾフェノンケチルを用いた蒸留などさまざま方法はありますが、うちの研究室でよくやってる方法なのでとりあえず書いてみました。

 

 

 

 

ソウル旅行その2

再び行ってきましたソウル。

毎週のようにいってますけどね。

先々週はイルサン(一山)てとこいってきました。

こないだのパーティーで知り合った友達がいるからいってきた。

そこでは飲んで終わりだった。

特筆すること無し。

とりあえずパーティーであったときより可愛くなってたからびっくりした。

おとなしそうかと思ってたのに案外グループリーダー的感じでよくしゃべるし。

状況によって人ってだいぶ変わるのね。

 

 

とまあそれは置いといて、先週はソウルでまた飲み会いってきました。

これまたパーティーで知り合った韓国人3人(男1女性2)の四人でカンナムで飲もうという話になり、直前にアプクジョンてとこに変更になり、四人集まったのは予定から1時間遅れの八時半でした。

 

これでも韓国ではだいぶ早い方だけどね。

普通飲み会始まるの十時過ぎらしいし。

 

とりあえずお腹すいたってことでサンギョプサル。

やはりおいしいんだがすこしづつ食べるからあんま食べた気しない。

お腹だけはいっぱいになった。

そして当然の酒。

 

となりの店にやたらやかましい飲み屋とやたら静かな飲み屋があった。

どっちいく?

。。。とりあえず静かなとこからいくか。

ということで地下の静かなお店へ。。。と思いきや!

 

実はうるさいのはその地下のお店。

静かなのは二階のお店だった。

音漏れ激しすぎてどっちかわかんなくなってたのね。

 

まぁ。。。いいだろ。

飲むかと。

飲みましたよ。

 

そしたらうるさすぎて店員こっち気付かない。

注文なんかいも聞き逃す。

酒のボトルでジャグリングやるようなショーやってたんだけど店員がはしゃぎすぎて客が追いついていけてない。

なんだこりゃと。

なんか不思議な雰囲気を味わった。

 

でもちゃんとお酒は飲めたしよしよし。

女性一名今日は仕事でだいぶ疲れたからって先に帰った。

男二人と女性一名。

しばらく飲んで場所変えようとなった。

 

そしたら他のグループが合流するかもーってさ。

へぇ。

いいじゃん。

待ちましょう。

てことで店でて待ってた。

 

しばらくして御到着。

男二人と女性三人くるはずらしいが、とりあえず女性到着。

みんな日本語できてびっくり。

こんなに日本語ってメジャーだっけ?

 

ちなみにひとりは日本人だった。

そりゃできるわな。

でもその子五月の末に韓国来たらしいんだけど、韓国語ぺらぺらだった。

俺めちゃびっくりした。

韓国語ってそんな簡単か!?!?!!?!?

 

よくよく聞いたらワーキングホリデーで二年くらい韓国にいたことがあったらしい。

どうりで。

 

んでまぁちょいと高めの飲み屋いき、飲んでた。

男性陣到着。

ひとりはわくわくさんだった。

これは疑いようが無い。

番組終わってなにしてんかなと思ったら韓国ですか。

そーですか。

 

冗談です。

まじでわくわくさんに似てる韓国人です。

日本に友達いるそうです。

日本の友達から日本の名前付けてもらったっていってた。

まぁあだ名だけどね。

それがデビ之助。

。。。でびのすけ?

なんで?

 

言うところによると、韓国の方は自分で英語の名前つくるらしい。

それがデイビットだったらしく、日本の友達が之助をつけたらしい。

ありがちなテンプレートを英語名につけるとここまで個性的になるのな。

 

 

とまぁそこの飲み会は終わり、次どこ行こうと。

クラブでしょ。

そこで俺の友人。

エルーイ行こう。

よしゃ。

 

ふたたび。

エルーイです。

俺もあそこ好きです。

ハウス系の音楽いっぱい。

 

やほーい。

 

ただここで危険な。

デビ之助で無いもうひとりの男。

なかなかやばい雰囲気をかもし出していた。

俺も俺の友達もなんとなく気付いていた。

うん。

気をつけようか。

 

飲み屋を出る。

タクシーに乗る。

クラブに入る。

 

その短時間で女の腕をつかみ、痛いって言ってるのに離さず、車危ないよーって。

いや車来てねぇから。

これはお前が危ないパターンだ。

 

クラブに入るともう目当ての女性(最初から一緒に飲んでた俺の友達ね)と二人きりになろうとする。

危機をさっしてか友達は俺の腕を離さず。

俺は男友達の腕を離さず。

RPGのように一列に歩いてましたよクラブで。

 

トイレ行きたいって言うからトイレの場所教えて出てくるまで待って。

出てきたらみんながいるところに連れてって。

まるではしゃげない。

 

男友達も察したようで、全員ひと固まりになって動こうと。

最初はフロアじゃなくてバーカウンターの近くでみんなで騒ぎ、そのうちみんな固まってフロアに移動。

 

ここですよ問題は。

完全に女の後ろにつくよね奴は。

はぁ。

俺はフロアでも気にしなければならないのか。

女友達完全に楽しくなさそうな顔してるし。

これはさすがに俺も気分上がらない。

 

おいでって。

俺の前に移す。

すると奴はほかの女の後ろにつく。

その子はあんまクラブとか行かないから後ろからいろいろされても拒否していいのかわからなかったみたい。

でも顔ひきつってた。

 

外道が。

 

あーもー。

友達は一人でめちゃはしゃいでるし。

治安を保ってる俺の身にもなれ。

 

あ、デビ之助もちょいと攻める人だった。

女の後ろについていろいろ。

でもそこまで激しくなく、、、、なんというかはしゃぐ手段として一緒におどろ?な感じだった。

こいつはマジでパーティーピーポーな感じがした。

こいつとはテキーラ入ったら話が合うわ。

 

一方奴は完全に性的な危険さを出していた。

抱きついて女のお腹をもむな。

 

あーもーとは思いつつとりあえずはしゃいだよ。

しばらくして俺のおごりでみんなビールで飲んだ。

ある程度お金持ってきてよかった。

 

んでまぁ時は経ち、そろそろ帰りたいーって人も出てきたので外に出る。

んでチゲ鍋に行く。

これがまた辛いんだ。

朝の五時にチゲはきついぜ。

みんなおいしそうにしてるけど。

 

そして奴は飲み足りないのか女酔わせてどうにかしたいのか知らないが、やたらソジュ(韓国焼酎)を頼んだ。

いやこれはないだろ。

この濃いの。

無理だってこの時間に。

 

そしたら二人組になってじゃんけんして負けた二人がソジュ飲もうぜって。

当然男女ペアだよね。

俺ら負けるよね。

女友達すでにグロッキーだから俺飲むよね。

そろそろアルコール臭を感じなくなってきた。

やばいかもな。

 

そんなこんなでチゲ鍋終わり。

女性二人帰るってことだし朝方だし人いないから奴もいかん事はできないだろうと。

再びエルーイへ。

俺と友達(女1男1)と奴と日本人女1。

俺が甘かった。

 

人がいてもいなくてもお構いなし。

これが韓国人男性の底辺か。

俺も友達も苦笑い。

どーしたもんかね。

 

しっかり女友達嫌がる。

友達(日本人女性)も退く。

これはない。

人がいないフロアで後ろから抱きつきいろいろ。

日本でやったら完全に捕まるレベル。

強姦未遂ととられても仕方ない。

 

そのうち友達(日本人女性)も知らない男に寄りつかれた。

その男不自然な踊りをしながらなんとなくを装って近づいてきて突如抱きついた。

いやごまかしきれてないよ?

これはあからさまにおかしい。

 

俺と男友達二人で女友達二人を救出。

とりあえず知らん男には俺が彼氏です手出さないでもらえます的な雰囲気を出しといた。

即座に消えた。

 

奴は残念そうに女友達を見ていた。

あとから聞いたらその女友達のこと好きだったらしい。

でも好きなら別の愛情表現があるでしょって女友達愚痴ってた。

やっぱ韓国人女性から見てもあれはおかしいんだね。

 

その後、クラブでて帰ろうかってことになってたのにここで俺の友達暴走。

なぜか飲み屋に入る。

朝の六時でっせ兄さん。

何考えてんの?

女性陣無表情。

座るなりテーブルにつっぷす。

帰りたい。。。

そう聞こえた。

 

日本人女性の方はちょい切れてる感じだった。

ああ、ここで無理にでも帰ろうと言えない俺はすいません。

チキンでごめんなさい。

 

結局またソジュ頼んでやがる。

ゲーム始めやがる。

こいつちゃんとした時間に合コンいったら絶対人気出ると思うんだけどな。

空気よもーぜみんな眠いって。

俺、空気よんで女性のソジュ全部飲む。

男性陣からは空気読め的な目をされたがこれは完全なアルハラ

無言の抵抗を俺はしつづけた。

ソジュの一本や二本で俺をつぶせるとお思いか。

 

そして飲み屋出て、俺金無くなった。

友達に金借りてタクシーで帰る。

あとの奴らはどっかいった。

完全に俺途中リタイヤって感じ。

あのあと大丈夫だったかな。

 

ホテルついたの七時過ぎ。

荷物おろして気付いたら十二時半。

うおっ!!!!

やっちまった。

チェックアウト十二時なのに!

 

もう酒残りまくり。

血糖値下がりまくり。

とりあえずホテルでてKTXで帰った。

 

女友達は何事もなく無事に帰ったらしい。

ほんと良かった。

 

ちょいといらっとすることの多かったソウル旅行だが、友達できたからよかった。

 

来週もいってくる。

 

 

 

 

 

 

不安定化合物の合成に関する考え方

 

どんもー

ねむいです

ただいま午前4:45

真空下基質乾燥中でございます

本日土曜は午前中セミナーで昼過ぎにはソウルに旅立つので

未明から仕込み始めてます

ちょいと時間ができたので昨年の国際学会の頃から考えていたことをちょいと書き残しておこうかなと

 

その国際学会は日本で行われたもので、その分野の大御所から若手の先生方まで様々な方が参加しておりました。

その中で気になったのは不安定化合物を合成、単離する際の考え方。

多重結合を有する典型元素化合物を合成する際によく用いられる考え方ですが、速度論的安定化。

これは不安定な原子周りを立体的に嵩高い置換基で覆うことで多量化や他の化合物との反応を防ぎ、単離する方法です。

つまりは反応への活性化エネルギーを上げ、山を越えられないようにするわけですね。

 

一方で、熱力学的安定化を用いたものもあります。

これはその化合物の不安定性が原子間の大きな分極によるものである場合、正電荷を持つ原子にルイス塩基を配位させることで電荷的不安定性を取り除くという方法です。

逆に負電荷を持つ原子にルイス酸を配位させてもいいです。

エネルギー的に考えるとその化合物を安定化させ、エネルギーを下げることで活性化エネルギーの山を越えられなくするといったところでしょうか。

 

国際学会に参加していた時、大御所の先生方の発表には速度論的安定化をもちいた化合物例が多く出てきており、反対に若手の先生方の発表には熱力学的安定化をもちいた化合物が多く出てきているという印象を受けました。

あくまで個人の印象ですけどね。

そこで速度論的安定化から熱力学的安定化に研究の軸が移ってきているのかなーと感じまして、ではこの次にはなにが来るのかなと考えました。

 

さてなにが来るのか。

繰り返しになりますが速度論的安定化は活性化エネルギーを上げ、熱力学的安定化ではエネルギーを下げています。

では逆に不安定化合物が反応してしまうとより不安定な化合物になる系を作れば目的化合物を安定に単離できるのではないかと考えました。

つまりは反応(decomp.)した方が不安定ですよーってな状況を作るわけです。

不安定な部分をそのままに、反応してしまったらより不安定になる状況。

んーなんだろなー

ときどき考えてはいたんですがなかなか思いつきませんでした。

 

そんなとき藤田誠先生の論文読んでました。

藤田先生の研究については、先輩が雑誌会で発表したり藤田先生の講演聞いたりケムステでいろいろ読んだりとこれまで触れる機会が多く、おもしろいなーと常々思っていました。

と。

よく考えてみたらあのかご状分子にモノ入れたら他の分子との相互作用しにくくなるんじゃん?

と思いつきました。

この点では速度論的安定化と同じですが。

最近の報告で、たんぱく質とか油状試料でさえもかごの中に閉じ込めることで観察が可能であり、X線構造解析まで可能ってのが出てました。

これはつまりはかごを用いてその化合物が"変化"すると不安定になる状況を作り出しているのではないか?

と思い当りました。

変化といっても動いたりパッキングが崩れたりってことですけどね。

つまりこれが速度論的安定化、熱力学的安定化につづく第三の化合物単離法といっていいのではないか?

と一人で興奮してました。

こんなところで答えを拾うとは。

 

とゆーことで。

第三の単離法の考え方が見つかったとゆーことで

第四は何がくるでしょーか。

活性化エネルギー上げて。

化合物のエネルギー下げて。

生成物のエネルギー上げて。

エネルギー的に考えたら終わりですかねぇ。

また違うグラフ持ちだして考えてみるしかないですかね。

 

そんな朝方のつぶやき。

長いですが。

 

おっと基質乾燥終わった。

ではでは。

 

 

 

 

実験計画とやらを立てましょう

 

本日6月6日は韓国の祝日でござーい

てことで昨夜はマトリックスをビールとともに鑑賞し、今日は引きこもってエクスペンダブルズ鑑賞してたよーい

 

明日は未明から反応を仕込まなければならないので寝なきゃなーと思っていたら

よくよく考えたら塩基最適化したら反応時間半分になったから明日じゃなくていいや

ってことになったので計画立て直して今に至りまする。

 

さてみなさんは実験計画立ててますか?

学部生や修士学生はそんなに立てる方はいないんじゃないでしょうか?

これは自分の経験と偏見ですが。

学部生、修士学生だと研究の方向、つまりこの結果が出たから次は何をすべきかってことを先輩とかスタッフの方たちとディスカッションして、必要な試薬探したり乾燥させたり論文検索したり器具を把握したり、してからの仕込みだと思います。

 

つまりは結果が出てから次の仕込みを決めるまでにディスカッションが必要なので計画を立てにくく、さらに計画立てても思い通りに結果が出なかった場合には計画すべてが御破算になるので意味ない場合も多いかと思います。

なので自分の時には計画立てる時間があったら仕込むぜベイビー!!
ってことで計画なんて立ててませんでした。。。

ただ修士1年の時、計画立てないで頭の中でやることとやる順番を常に反芻してたら、まじで頭が回らなくなって微熱とともに気持ち悪くなったことがあります。

これにはびびりました。

 

いきなり横道それましたが、計画立てるのって研究には重要なのです。

特に留学のように時間が決まっている場合には特に。

計画を立てることによる利点ですが、以下の3点が大きいかと思います

  1. 課題終了日が分かる

  2. 自分の研究を語る上で最低限必要な実験データと+αでやるとよいことが把握できる

  3. 予想しないことが起きた場合でも冷静に対処できる

 

1の課題終了日が分かるからなんなんだよって思う方もいると思いますが、これ重要ですよ

計画の上で期間内に終わらなかったら確実に終わりません。

根性でどーにかなるものとならないものがあります

時間てのは無情なものです

なので決められた期間内で結果を出すためには終了予定日を把握する必要があります。

実際社会で期間内に終わらなかったらプロジェクト破綻です。

1日につき人件費やら光熱費がかかるわけで、1日オーバーでも予算オーバーになりプロジェクトから手を引いた方が企業にとって利益になる場合もあります。

 

2の自分の研究を語る上で最低限必要な実験データと+αでやるとよいことが把握できるってのも重要ですね

いくら最初に道筋を考えていても、自分の研究を語る上でこの切り口(イントロダクション)がもっともよいものか考えることは重要です。

1つ基質を変えるだけで実は研究の重要度が増す場合もあります。

なので絶えず切り口を考え、それに応じたデータをそろえることが大切です。

切り口と全く関係ないデータ出したら。。。まぁおもしろい結果が出ればいいですがそうでない場合には試薬と時間と体力の無駄になりますね。

 

 3の予想しないことが起きた場合でも冷静に対処できるという点についてですが、これは2でも述べた研究の切り口について絶えず考えていれば得られるものです。

常に最適な切り口を考えていれば、予想に反しているその結果が研究全体をひっくり返すものなのか、はたまた研究の質を若干上下させるだけのものなのか判断できます。

したがって論文書く際にはその重要度によって結果を載せないという判断もできますし、逆手にとってそれを研究の強みにできる場合もあります。

 

とまぁ偏見というか自分の考えですが、計画を立てて得られる利点とはこんなもんでしょうか。

んではいつどーやって計画立てたらよかんべかってことで書いてみようかと思います。

 

とりあえず計画の立てやすい触媒を使った研究における計画の立て方を考えてみようかと思います。

ちょいとプロジェクトマネジメントの概念が入ってきますので、のちほどネットで調べてみてください。

 

まず計画を立てるにはWBSを作成することがひっじょーに大切です。

WBSとは簡単に言うとto doリストですな

なにをしなければならないか。やることリストです。

ただこのリストですが、大きなタスクを書き出し、それぞれを時間を割り当てられる単位まで分解しましょう。

例えば「Work up」という大きなタスクを書き出し、これを「分液」「エバポ」「カラム」「エバポ」とかに分解します。

ただこれは自分が必要とする計画の大きさに合わせていいかと思います。

1日の計画を立てるならこれくらい細かく分けなければなりませんが、1か月単位なら「Work up」というタスクに「4時間」と時間を割り当てればいいかなと思います。

そーすれば1日の中でどれくらいWork upに時間を使わなければならないか分かります。

触媒を用いた反応開発では以下のようにタスクが分けられると思います。

「触媒探索」「溶媒最適化」「添加剤最適化」「基質スクリーニング」「反応機構考察」などですかね。

不均一触媒ならばここに「再利用性の検討」とか「リーチングテスト」を入れてもいいと思います。

そしてこれらを分解します。

「触媒探索」について丁寧にやると以下のようになります

1.0.0. 触媒探索

   1.1.0. 触媒候補の調査

      1.1.1. 触媒反応の調査

          1.1.1.1. 比較する市販の触媒の調査

          1.1.1.2. 反応条件の調査

          1.1.1.3. 単離方法の調査

          1.1.1.4. 収率出し方の調査

      1.1.2. 合成法の調査

      1.1.3. 必要な試薬の調査

   1.2.0. 触媒合成

      1.2.1. 試薬注文

      1.2.2. 触媒合成

      1.2.3. 活性確認

   1.3.0. 反応検討

      1.3.1. 使用する基質、溶媒、添加物の決定

      1.3.2. 反応

      1.3.3. 収率出し

 

ここで同じレベルのタスクは同じ大きさにすることが重要です。

例えば1.1.1.とか1.1.2.とか1.3.1.のレベルは同じ大きさになり、この段階が律速段階になっています。

つまり計画の進行度を把握するにはこのレベルのタスクがどれくらい進んでいるか確認すればいいわけです。

 

そしてこれらのタスクに時間を割り振ります。

実際のプロジェクトマネジメントでは資源(予算とか人手とか)も割り当てるんですが、ここではあまり意味もないと思うので割愛です。

 

時間を割り振ったらガントチャートに起こします。

ガントチャートはガントさんが作ったチャートです。

見たことある方も多いと思いますが、表みたいなやつです。

縦軸にタスクを書いていき、横軸に時間をとり、1.2.1とか1.1.1.とかのタスクに必要な日数だけ矢印を延ばせばOKです。

案外簡単でしょ?

詳しいガントチャートの作り方についてはネットにいろいろ載ってるんで調べてみてくださいな

ガントチャートができたら。。。おわり?

いえいえそんなことはありません

あとは「バッファの最適化」が残っています

 

例えばGC Yield出してWork upしてカラムかけてNMRとって。。。

という一連の仕事をする際にどう時間を割り当てますか?

GC Yieldに40分、Work upに30分、カラムに2時間、NMRに30分と割り当てたとしましょう。

NMRのあとには重要な教授とのディスカッションが待っているとします。

しかしそこには予想できない出来事もあるでしょう

GCは置いといて、Work upでエマっちゃってどーにも分かれん困った。

試行錯誤。終わった!。。。時間過ぎてる!やばい!

ええいカラムの時間を短縮すればよいだけの話!

。。。。。。。ああああああカラムおわんねーNMRとれねぇぇぇぇ

ってこともあるでしょう

そういう経験から人は余裕をもって計画を立てるようになります。

GC Yieldに40分、Work upに30分、、、いや50分とっておこう。

カラムに2時間、、、一応3時間てことで。

NMRに30分、、、ずれこむから1時間とはばとって予約しとこ。

とかとか。

そーした場合、実際うまくいくとNMR測定予定時間のはるか前に精製が終わり、測定までの時間ひまだなぁってことになりかねません。

これは1日の中でのできごとなので影響はそれほどでもないですが、月単位や数カ月単位で予定を組んだ時には無駄な時間が多く出てしまいます。

ではどーしたらいいか。

ここで出てくるのがクリティカルチェーンマネジメントで重要なプロジェクトバッファの0.5倍則です。

余裕をもって計画を立てて結果として無駄な時間ができてしまうのは、個々のタスクにバッファ(余裕)を持たせているためです。

そのため最終的に融通がきかなくなります。

なので効果的なバッファの設定法として、個々のバッファをタスクの最後に回し、そのバッファの和を0.5倍にするという方法です。

ここでは

 

GC Yieldに40分

Work upに30分+20分 = 50分

カラムに2時間+1時間 = 3時間

NMRに30分+30分 = 1時間

 

と設定していましたが、これは

 

GC Yieldに40分

Work upに30分

カラムに2時間

NMRに30分

バッファ総和1時間50分

 

と解釈できます。

なので

バッファを半分ということで55分に設定し、これをタスクの最後におきます。

すると

 

GC Yieldに40分

Work upに30分

カラムに2時間

NMRに30分

バッファ総和55分

 

となり、予定どうりに終わっても55分の暇で済みます。

約1時間の短縮ですね。

これ1日単位ではなかなか大きいと思います。

こんな感じで各タスクには必要最低限の時間を割り当て、各タスクのバッファの総和を最後に持ってきて0.5倍すればいい感じに余裕持って終われるでしょう。

クリティカルチェーンマネジメントに関する合流バッファやプロジェクトバッファについてはこんなWebページがあったので紹介しておきます。

http://www.pcmi.jp/html/toc_ccpm/TOC_index6.htm

 

 

さてこんな感じで計画の策定は終わりです。

ただし計画は作って終わりではありません

絶えず進捗の確認と計画の練り直しが必要です

 反応時間が予想より長かった

 予定していた基質だけでは充分と言えない

 意外と触媒の選択性が悪かった

などなど予想に反した結果が出てくるのが化学です。

なので結果に応じて計画を練り直し、終了日がいつになるかを把握していることが大切ですね。

 

 

とりあえずこんなところでしょうか

興味のあるかたはプロジェクトマネジメントを学んでみてもよいかもしれません

プロジェクトをいかにマネジメントし、予算内で確実に遂行するかを学べます

よかったらググってみてください

 

 

 

ただのつぶやきですが。

 

Facebookで昔のバイトの先輩たちを見つけた。

こっそりいろいろ見てみた。

もっとでかくなろうと思った。

大学同期もがんばってるしねー。

論文数報出してる変態も数人いるが。

素直にすごいと思うね。

拍手もんだよ

俺もガンバロ

留学で学んだことをば_その2. テーマの選び方

 

韓国留学きて早2か月。

つまり残り1か月。

そろそろ論文を書き始めました。

出すところは決めてませんがとりあえず研究をまとめることのついでに流れを作っておこうと。

そこで気付いたのがテーマの設定の仕方。

3か月とか短期の留学で論文書くまでまとめ上げるのは普通は無理でしょう。

俺の場合運がよかったですな。

 

でもこれを運がいいというだけで終わらせてしまっては学ぶことは少ない。

なぜ運がよかったのか。

テーマを選ぶにはどう考えたらいいか。

すこし考えてみたので備忘録も兼ねて書いてみようと思います。

 

まずは序から。前置き書かせていただきます。

言うまでもなく論文やら発表やらする時に何が重要かってそれは物語です。

いかに論理立てて、なにが重要と考えられているのか、なにが問題点またはなにに着目して改良すればよりよい結果が得られるのか、そしてそのためになにをしようとするのか。

これらを簡潔に語ることです。

このへんのは留学前にやっておけるでしょう。

てかそれやらないと留学先で何を達成したくてなんでこの研究室選んだのってことになります。

 

しかし物語の大筋を考えていても短期留学です。

実験がうまくいかないこともあれもありますし、実験開始までに時間もかかります。

実験開始までには早くても2週間。

これには手続きやら器具集めやら試薬の純度確認やら試薬発注やらのため、これを短縮するのは無理です。

そして信頼性のある実験を行えるまでに2週間以上はかかるでしょう。

自分の場合、嫌気性条件下での実験というのはまさにお手の物でしたので特に技術的に困ることはなく、器具、装置の信頼性を確かめるだけで済みました。

その俺で2週間、つまり最初の1か月は信頼性のある実験ができないということになります。

つまり残り2か月。

この時間で何ができるか。

留学に際しての目標は以下の2つにわかれるかなと思います。

 

1. 結果を出し、論文書いて博士論文に入れる内容にする。(自分はこれ)

2. 異種分野(理論計算化学から全合成化学とか)にとびこみ、化学者としての価値を高める。

 

ほかにもあるかもですが、、、思いつかないのでこれらだけにしときます。

 

2の場合は特に考えることもないでしょう。

全てが経験したことないんですから、なにをやっても自分の技術向上になります。

でも本当になにも考えずにやっていたら帰ってきてからあまりの経験したことの少なさにびっくりするでしょう。

したがってこの場合は1週間単位、または2日単位くらいで目標を作り、細かく達成していくことが大切と思います。

なのでテーマをどうこうと言うよりは留学中に技術習得についてつねに考えていることが重要になりますね。

 

では1について。

先ほども述べましたが残り2か月です。

2か月といってもその間にセミナー資料作成やら試薬の精製やら、もちろん思うように行く保証もなく路線変更を余儀なくされることもあるでしょう。

さらに反応時間の問題もあります。

1つの反応に2日かかるとしたら1週間に丁寧にやったら3つ、または4つというところでしょうか。

2か月だと32個です。

この数で論文を書くわけです。

留学中に論文を書くのに充分なデータを得ることがいかにむずかしいか分かりますかね。

まぁ論文書かないで、思う存分実験楽しんでいろいろ試すのもありだと思います。

自分のアイデァを海外の研究室で試して新たな芽がでたら楽しいでしょうし。

 

さてここで本題。

いかに論文を書きやすいテーマを選ぶか。

簡単で結果の出やすいテーマ選べばいいんじゃね?
なんか志の低い言葉になってしまいますが大筋はこんな感じです。

「簡単で結果の出やすいテーマ」と一言にいってもいろいろあります。

着眼点が素晴らしく、このひと工夫で劇的な効果が予測されるもの。

これはまさしく簡単で結果が出やすいですな。

でもそんなものばかりではありません。

かといって志の低い、はっきり言ってしまえば化学界への貢献が少ない研究を行うために留学してもどうしようもありません。

得るものも少ないでしょうし、留学がもったいないです。

そこで自分の提案は、留学先の研究室が持っているオリジナルの研究(触媒や配位子など)を利用し、既知のものをなぞらえてやってみようというものです。

なぞらえてと言っても全く同じではありません。

そこには当たり前ですがオリジナリティーが必要です。

より温和な条件で反応を進行させる。

不均一触媒で進行させることで精製法および触媒回収能を向上させる。

とかとか。

月並みですがこんなやつ。

このような研究の場合、その研究室ですでに長らく研究されているものを使う訳ですからノウハウはもちろんあり、信頼性のあるデータを得やすいです。

さらに銅鉄主義ではありませんが、少しずつ細かいところを変化させた研究はそれだけではインパクトは少ないですが過去の成果とまとめて考察すると基礎化学的に重要な知見、傾向が見えてくる場合もあります。

つまりインパクトちいせぇと馬鹿にすることなかれ。

大きな知見は小さい研究の積み重ねであります。

 

そしてこの考え方、結構重要だと自分は思っています。

 

な ぜ か

 

慣れない研究室で短期間で結果をあげることはポスドクになった場合やアカデミックスタッフとして雇用された場合に必要な技術になるからです。

例えば4月に赴任して、先に述べたように1か月はまともな実験ができないでしょう。

またスタッフならば書類下記やら学生実験の手伝い、研究室の雑用など実験に使える時間はかなり限られてきます。

すると1か月半、2か月で信頼性のあるデータが得られ始めるというところでしょうか。

当然測定機器も使い方を学び、試薬もなんやかんややり、なかなか軌道に乗らないでしょう。

あっというまに3か月、4か月が過ぎていきます。

しかし最初の6か月中に論文を1報書けるくらいにしておかなければなりません。

でなければ1年目の成果無しになってしまいます。

任期付スタッフなんてあたりまえな世の中。

その中1年目に成果ゼロは厳しいでしょう。

そこで重要なのがやはり先も述べた、その研究室で長らくやられているオリジナルなものを用いて既知のものをなぞらえると言うもの。

信頼性のあるデータも得やすく、インパクトは小さいかもしれないが一つの成果となりやすい研究です。

この内容で6か月のうちにまとめておけば出して返ってきて書きなおしていろいろやっても1年目が終わるころには何とか出るでしょう。

 

つーまーり

うまく言いたいことをまとめられていませんが、

留学やポスドクなど慣れない研究室にて成果を出すためには、その研究室で長らくやられているオリジナルのものを用い、既知反応をなぞらえてみるテーマというのも重要なのではないか、ということです。

 

以上、お送りしました。

 

 

ソウル旅行その1_2日目パーテーのちヴェラ

 

二日酔い。。。というか一日酔いもそれほどなく。

昼ごろ起きて町へ。

 

服買おうかと思ったけど案外安いこともなく、ポハンで買えそうなのでやめた。

結果、ミョンドンいってお土産購入。

K-popグッズだらけだね。

さらには日本語しゃべれる人ばっか

日本語表示も多いし。

なんだここ日本かい

そんなミョンドン。

さすがに日本人も多い。

 

んでいろいろ歩いたけどお土産以外買わずにぶらついただけで帰ってきた。

そしてパーテー準備。

 

五時に飯食おうぜって友達とシンチョンで待ち合わせ。

豚の皮食べてきた。

んでパーテー。

 

日韓交流のKJIFってコミュニティがやってるぱーてー。

日本人と韓国人がいるわけだが。。。区別がつかん。

日本人かと思いきや韓国人。

韓国人かと思いきや日本人。

似てるもんなんだねやっぱ。

 

ぱーてーではダーツゲームやらお酒飲みやらいろいろでいっぱい仲良くなった。

楽しかった。

 

そしてクラブVERA。

ここは若い人多かったなー。

でも狭かったなー。

純粋に音楽は楽しめたけど。。。

笛吹いてるやつ何とかならんのかね。

音楽に求めるものは人それぞれ違うんだから。

自分の価値観てか音楽の乗り方を人に強制する笛はどうかとおもう。

そして耳元でやられるからうーるさいうるさい。

あほか。

 

さらにはしっかりジャケットにネクタイなやつらもいて

肩が隣のやつとぶつかるたびに気にしてるやつもいた。

あほか。

ここクラブなんだから。

服装も考え方も違うわ。

 

なーんか色々いらっとくることは多かったけど音楽は楽しめたなぁ。

 

友達も疲れたってんで結局3時ごろ帰宅。

早かった。。。

 

なんだか楽しかったんだけど。。。普通に楽しかったな。

イレギュラーなくてちょいと物足りないってのは贅沢かい?