ぽすぽす田舎

おもに化学やってる大学院生。 思ったこと気付いたこと忘れそうなこと楽しかったこと。 いろいろつれづれに書いていきます。

博士としてなにができるか_その1

 

 

こんばんわです

ただしくは「こんばんは」です。

「今晩はいい天気ですね」とか

「今晩はお疲れですね」とか

「今晩は朝まで騒ごうぜ」とか

こーゆーとこから派生したんですかね「こんばんは」

 

そんなこんなで本日は留学先の先輩と人生やら博士を取る意味とかいろいろ話したので自分の思うことを吐き出したいと思います。

とは言いつつこの件については日ごろ考えてます。

 

とりあえず鉄板は「博士は高度な専門知識を持つ学者である。その専門知識を実績、成果に結び付けなければならない。」

これ当然でしょう。

さらに加えると「成果を出すためにはクリティカルなところを攻めなければならない。この世にやられていないことはいくらでもある。目につくままそれらを行っていたら成果がでる前に死んでしまう。つまり前例を吟味し、選別し、成果に結び付きやすいところから攻める。」

といったとこでしょうか。

名言というかよく言われることとして

「何かを成さないには人生はあまりに長いが、何事かを成すにはあまりに短すぎる」

というものもあります。

しかしどうやって選別したらよいのか。

まぁこれは文献検索とかでしょう。

「勝兵はまず勝ちて、しかる後に戦いを求め、敗兵まず戦いてしかる後に勝を求む」

という孫子兵法もあります。

つまりまずは文献検索し、オリジナリティー、将来のインパクトを設計し、その後研究およびプロジェクトに入るという感じでしょうか。

ここまでは基本でしょう。

博士でなくともこのような手順を踏んでいなければ研究室では研究発表時になにやってんのって話になります。

 

前置きが長くなりましたが、ここからは一般論でなく私の意見です。

途中途中ですます体や、である体など語調が変化したり一人称が変化したりすると思いますがご了承ください。

 

まずこれまでの技術の発展の経緯から。

これまでの発展、とくに日本ではロードマップ上で予測できる発展が主になされてきました。その結果製品の質がよく、また安価であるという利点から世界的にも人気がありました。

ロードマップで予測できるというのはつまり技術を改善していくというものです。

テレビをより薄く、より省エネに。

車をより燃費良く、より安全に。

といった具合に従来の製品の質を向上させてきたというところでしょうか。

しかし近年ではアジア圏の企業の台頭によりモジュラー化された製品は簡単に真似され、その製造国の通貨が安いことからより安価な販売が可能になってきています。

モジュラー化とは部品を組み立てて作れるような差別化の難しい製品。

テレビや液晶パネルなどは分解して構造を調べれば誰でも作れます。

「私の会社の製品の質はこの点で他社より優れています」という質の差別化が難しくなるのです。

したがって利点は安さだけとなり、この点日本は最近有利ではなくなってきています。

 

では何なら勝てるか、差別化できるものでしょう。

真似されにくいものですね。

また多くの企業が参入しにくい市場、つまりはブルーオーシャンよりも市場規模の小さいブルーレイク、ブルーポンヅを目指して技術開拓するのも手でしょう。

 

ではどうやって真似されにくいものを出せるか。

ヒントはappleにあります。

appleは成功しました。

これは誰も異論ないでしょう。

ではなぜか。

それは新しい概念を出したからです。

技術はそれまでにあったもの。

しかしそれらを組み合わせればこんなことができる。

こんな社会ができる。

その概念こそが真似されず、市場がレッドオーシャンとなった今でさえ業界を引っ張っている理由と思います。

ではこのような新しい概念を作り出すためにはどうしたらよいか。

ここで博士の出番です。

博士は専門知識の塊。

化学の博士はなかなか化学以外の分野での新発見はできせん。

物理は物理の、電子情報なら電子情報の、それぞれの畑での発見が主でしょう。

そこでこれらの博士にディスカッションさせてみます。

すると何が起きるか。

物理学者がある実験で困っているところに化学ではこういう実験方法があるよ、とか。

この原子はこういう反応性を持つことが最近分かってきてるから、この理論なら矛盾なく説明できるんじゃない?とか。

電子情報分野でこんな材料があったらいーなー。あ、それ?作れると思うよ。

とか。

異分野交流により新しい価値、新しい概念、従来の問題の解決ができるのではないか、と思います。

これが博士が産業界に必要な理由と私は考えます。

異分野交流が大切。

様々な場面で安っぽく言われていますが、実際それがどのような点で重要なのか、どのような価値を生み出すことができるのか。

自分の考えを述べてみました。

 

博士号取得を目指す方の多くは産業界よりも学問を突き詰めたい、科学者として大成したいと考える方も多いでしょう。

それもよいことです。否定する気は毛頭ありません。

しかし理由はどうあれ、博士の価値とはこういう新たな価値、新たな概念を生み出すところにあると私は考えています。

 

 

 

 

 

 

とりあえず今回はこれくらいで。

飲みに行ってきます。

続きはその2で。